外国で家を買うのは、かつては富裕層だけの趣味だった。今は違う。ビデオ内見、英語が通じる弁護士、専門の外国為替ブローカー——こうした仕組みが揃ったことで、リマソールのアパートやアリカンテ郊外のタウンハウスは、ごく普通の予算の買い手にも現実的な選択肢になった。
現実的だからといって簡単とは限らない。育った国とは違う法制度のもとで契約書にサインし、多くの場合読めない言語の書類を扱い、人生で最大級の金額を国境を越えて送金することになる。本ガイドは、この一連のプロセスを順番に扱う。最初に決めるべきこと、誰を雇うべきか、各段階でいくらかかるか、そして全体でどれくらい時間がかかるか。内容はHomeNSearchが日々目にしている現場に基づいており、当社はキプロス、スペイン、トルコ、タイ、UAEを含む13か国の物件情報を検証している。
「どこで」より先に「なぜ」を決める
休暇用のフラット、賃貸用の投資物件、将来のリタイア先——この三つはまったく別の買い物だ。向く国も、向くエリアも、向く物件タイプも変わってくるので、目当ての物件を一件でも見る前に、まず目的をはっきりさせておきたい。
利回り狙いの投資家が気にすべきは1月の入居需要であって、7月のマリーナの眺めではない。将来の移住を考えているなら、学校や医療、ビザの選択肢まで見ておく必要がある。休暇用の買い手なら、そのあたりは気にせず、眺めにこだわればいい。
次に本当の予算を決める。購入にかかる税金と諸費用は国によって物件価格の5〜12%が上乗せされるのが普通なので、20万ユーロのアパートは、椅子一つ買う前に実質21万〜22万4000ユーロかかる計算になる。この費用込みで上限額を決め、さらに予備費も確保しておくこと。予想外の出費は必ず出てくる。
旅行者ではなく地元民の目でマーケットを調べる
国よりも重要なのは通りだ。ビーチから2ブロックの物件と、内陸へ20分入った物件では、値動きがまるで別の市場のように振る舞うことがある。地域を絞り込んだら、すぐに地区レベルまで掘り下げるべきだ。
価格の推移は2年ではなく10年単位で見る。3年で倍になった市場は2年で半分になることもあるが、じわじわ上昇してきた市場のほうが概して健全なサインだ。周辺で何が建設中かも確認しておこう。クレーンの林が立っているなら、それは将来の供給増加を意味し、将来の供給は転売価格と賃料の両方に上限をかけてくる。
金利もこの下調べに含めるべき項目だ。現地の借り入れコストが上がると国内の需要が冷え込むが、それはまさに海外からの現金買い手が値引き交渉の余地を得るタイミングでもある。景気サイクルを完璧に読む必要はない。ただ、自分がそのサイクルのどの局面で買おうとしているかは知っておく必要がある。
賃貸収入も計画に含めるなら、価格だけでなく賃貸ルールも調べておくこと。今では多くの人気都市が短期賃貸を許可制や上限付きにしており、そうした制限がある地区は、パンフレットに描かれているのとはまるで違う投資対象になる。地元の管理会社に、年間を通じた実際の稼働率を聞いてみるといい。その答えは、ネット上のどんな予測よりも当てになる。
そしてシーズンオフにも現地を訪れること。8月は嘘をつく。
惚れ込む前に所有権のルールを確認する
どの国も外国人買い手に対して独自の線引きをしており、それを後になって知ると高くつく。タイは外国人に土地を売らないが、コンドミニアムなら建物全体の49%を超えない範囲で完全所有ができる。UAEは外国人所有を指定のフリーホールドゾーンに限定している。キプロスは非EU圏の買い手に閣僚評議会の許可取得を求めるが、これは通常の手続きであり、弁護士が申請すればいい。モンテネグロは外国人へのアパート販売を自由に認めつつ、一部の土地カテゴリーには制限を設けている。ジョージアに至ってはほとんど制限がなく、権利登記はわずか1日ほどで済むことで知られている。
居住権のルールもまた、早めに確認すべき項目だ。スペインは2025年4月にゴールデンビザを廃止し、ポルトガルは2023年10月にすでに不動産ルートを撤廃したが、それでもこの二つを前提に計画を立てて現れる買い手は今なお絶えない。ギリシャは地域ごとに条件が異なる不動産連動ビザを続けており、トルコは40万ドル以上の物件購入で市民権取得ルートを提供し、キプロスは30万ユーロ以上の新築購入と永住権を結び付けている。居住プログラムが計画の一部を占めるなら、検索を始めたその週のうちに政府の公式ページで確認しておくこと。ブログの更新より先にプログラムが締め切られることは珍しくない。
自分の味方を雇う
物件を案内してくれるエージェントは売り手側の人間だ。デベロッパーが無償で用意する法務サポートも、デベロッパーのために働いている。だからといって彼らが不誠実というわけではない。ただ、あなたを守るために報酬を受け取る人間を自分で雇うまでは、その部屋の誰もあなたの味方ではないということだ。
最低限必要なのは、あなたの言語を話し、あなた以外の誰にも答えない、独立した現地の弁護士だ。国によっては、買い手側のライセンス付きエージェント、署名する書類を扱う宣誓翻訳者、そして公証人も必要になる。公証人は多くの大陸法系の国で任意ではなく必須の中立的立会人だ。母国と購入先の両方の税制を知る税理士は、二重課税条約を開いたその瞬間に報酬分の働きをする。
当社のブローカーが初めての買い手に必ず伝えるルールがある。同席者全員を売り手が紹介してきたのなら、それはあなたのチームではない。ただの観客だ。
ステップごとのタイムライン
典型的な中古物件購入の流れを示す。未完成物件(オフプラン)も基本的な流れは同じだが、完成引き渡しは建設の進捗待ちになる。
1. 予算を決めて候補を絞る(1〜4週目)
費用5〜12%を織り込んで上限額を固め、対象地域を1〜2か所に絞り込み、物件情報のスクリーニングを始める。ここは厳しく選別すること。間取り図、正確な住所、動画による内見を要求し、応じない売り手は候補から外していい。この段階で弁護士探しも始めておくべきだ。急いで必要になる前に。
2. 集中的な内見旅行を1回行う(1週間ほど)
のんびり2週間かけて2件見るのではなく、3〜4日で8〜12件見る。夕方にその地区を歩いてみる。可能なら近隣住民に話を聞く。候補に絞った弁護士とも現地滞在中に直接会っておく。
3. 物件を仮予約する
これだという物件が見つかったら、通常は短い予約契約を結び、確認作業が進む間その物件を市場から外すための保証金——多くの場合数千ユーロ——を支払う。この小さな契約書も、署名前にきちんと読むこと。権利関係の確認が通らなければ返還される保証金もあれば、返還されないものもある。
4. 弁護士にデューデリジェンスを任せる(2〜4週間)
ここが買い手を救う段階だ。弁護士は売り手が本当に対象物件を所有しているかを確認し、抵当権、債務、第三者からの権利主張が権利証に付いていないかを調べ、建築許可と都市計画への適合も検証する。未完成物件の場合は、デベロッパーの許認可や、段階的な支払いがどう保護されているかもあわせて確認する。この結果がクリーンになるまで、何にも署名しない。
5. 契約書に署名し、手付金を支払う
次に本契約——国によって呼び方は異なる——を結び、通常は価格の約10%程度の手付金を支払う。ここから先、買い手都合で取りやめると手付金を失うのが一般的で、売り手都合で取りやめるとそれ以上の負担がのしかかることが多い。日程、違約金、契約不履行の定義はすべてこの契約書に書き込まれるので、弁護士の腕の見せどころはここにある。
6. 資金を手配する
住宅ローンの承認、外貨両替、国際送金は、契約から決済までの間にすべて進める必要がある。想定より早めに動き始めること。銀行は資金の出どころを尋ねてくるので、2か国3機関から明細を取り寄せる作業には、誰もが思う以上に時間がかかる。
7. 決済と登記
決済日は通常、公証人のもとでの立会いになる。残金が動き、権利証への署名が行われ、登記所への移転手続きが進む。ヨーロッパの多くの国では、委任状によってこれらすべてを現地に飛ばずに済ませることも可能だ。オファー成立から鍵の受け渡しまで、中古物件なら2〜3か月が標準的なペースだ。
住宅ローン、外貨、送金
非居住者としての借り入れ
外国人買い手にも融資する国は多いが、条件は地元の人より厳しくなる。頭金は大きめ、必要書類は多め、金利も高めになりがちだ。貸し手は認証済みの収入証明、確定申告書、母国の信用情報、既存の借入についての説明を求め、必要に応じて翻訳も求めてくる。一方でタイやジョージアなどの市場は、実質的に外国人向けにはキャッシュ市場になっている。そのため多くの買い手は自国の不動産から資金を引き出し、現地では現金買い手として現れる。これはオファーの説得力を高める効果もある。
もう一点。アパートがユーロ建てで賃料を生むなら、別通貨での借り入れは不要なリスクを増やすだけだ。可能な限り、借入通貨は収入通貨に合わせておきたい。
為替も価格の一部と考える
契約から決済までの間、為替レートは動き続け、6桁の送金額であればわずかな変動でも住宅の実質コストが数千単位で変わってくる。レートを予測することはできないが、固定することはできる。外貨専門業者は先渡し契約(フォワード)を提供しており、数か月先の決済日に向けて今日のレートを固定できる。
手数料の広告表示ではなく、送金にかかる総コストで比較すること。手数料無料をうたう送金でも、為替レートに上乗せがされていれば、実際には最も割高な選択肢になることがよくある。同じ金額・同じ日で2〜3社から見積もりを取ってみるといい。その差額に驚くはずだ。
実際に支払うことになる税金
税金が発生する瞬間は四つある。購入時、保有時、賃貸時、そして売却時だ。
大きいのは購入時で、これがあの5〜12%の大部分を占める。呼び方は国によって変わる。譲渡税、印紙税、新築物件へのVATなど。税率も国ごとに違う。キプロスの譲渡税は段階制で最高8%、ドバイは一律4%の土地局手数料、フランスの中古物件購入では公証人費用がおよそ7〜8%かかる。
保有時には、ほぼどの国でも毎年の自治体税・固定資産税がかかるが、金額は概して控えめだ。賃貸に出す場合は物件所在国での申告が必要で、通常は母国でも申告することになる。二重課税条約があるので同じユーロに二重課税されることはないが、その軽減措置は自動的に適用されるわけではなく、自分で請求しなければならない。売却時には物件所在国でキャピタルゲイン課税が発生するが、保有期間が長いほど軽減されることが多い。
取引の遅れを招きかねない、地味だが影響の大きい手続きが一つある。ほとんどの国では購入前に現地の納税者番号——スペインのNIEなどが代表例——の取得が求められ、これを早めに申請しておくことで公証人の予約日程を守ることができる。
ここまで読んで怖気づく必要はない。ただ、これはオファーを出す前にスプレッドシートに入れておくべき項目であって、後から気づくものではない。
人気の4市場を比較する
当社のカタログにある13か国のうち、買い手からよく質問される市場をざっと見てみよう。すべての国の検証済み物件は当社の物件カタログで閲覧できる。
キプロスは、多くの買い手にとってEU圏不動産への最も入りやすい入り口だ。英語の契約書が標準的で、手続きもコンパクト、30万ユーロの新築購入に紐づく永住権ルートが需要を安定させている。新築ならVAT、中古なら譲渡税を予算に入れておくこと。非EU圏の買い手は閣僚評議会の許可も忘れずに。
スペインは成熟した大市場で、バレンシアからアンダルシアまで中古物件の在庫が厚い。決済にはNIEが必須で、2025年4月以降はゴールデンビザも付いてこない。パスポート目的ではなく、暮らしや利回りのために買う市場だ。
トルコは動きが速く、外国人買い手向けには基本的にハードカレンシー建てで値付けされる。権利証(TAPU)は1回の土地登記所での立会いで移転し、40万ドル以上の購入で市民権取得ルートが開ける。これがイスタンブールやアンタルヤの投資家人気を支えている。
タイは独自のルールで動く。コンドミニアムは49%の外国人枠内で完全所有が可能だが、土地は外国人には開放されていない。購入のほとんどは現金取引だ。プーケットのような拠点での賃貸需要が、この市場の説得力を裏付けている。
よくある質問
外国人でも海外の不動産を完全所有できるか?
人気の渡航先の多くでは可能だが、ほぼどの国も何らかの条件を付けてくる。外国人枠、指定ゾーン、許可申請、土地の制限などだ。あなたの状況に対する実際的な答えは、地元弁護士への電話一本で分かる。候補選びの前に、済ませておく価値のある電話だ。
海外不動産の購入にはどれくらい時間がかかるか?
物件探しの期間は別に数えるべきだ。オファーが受理されてからは、中古物件の購入なら通常2〜3か月で決済に至る。デューデリジェンス、資金調達、公証人の予定が主な決め手になる。未完成物件は建設の完了時期に決済が合わせられ、1年先のこともあれば3年先のこともある。
購入のために現地へ行く必要はあるか?
通常はない。当社が扱う13か国のほとんどでは、委任状によって弁護士がすべての署名を代行でき、二度目の渡航なしで決済まで終える買い手も多い。とはいえ、内見のための渡航は一度はしておくべきだと考えている。写真には騒音も、匂いも、隣人の飼っている鶏の鳴き声も写らない。
海外の不動産を購入すれば居住権が得られるか?
現に生きているプログラムがある場合に限られる。スペインのゴールデンビザは2025年4月に終了し、ポルトガルの不動産ルートは2023年10月にすでに閉鎖されているので、どちらも今の計画には含められない。ギリシャ、キプロス、トルコ、UAEは今なお不動産と居住権・市民権を何らかの形で結び付けているが、それぞれ独自の基準や条件がある。購入前に、購入後ではなく、公式情報源で現行のルールを確認しておくこと。



