海外で不動産を買う人は、いずれこの分かれ道にぶつかる。ある仲介業者は、すでにテナントが家賃を払っている完成済みのアパートを見せてくる。別の業者は、あと3年は形にならない超高層タワーのパンフレットを差し出す。値段はやけに親切だ。プレビルドか中古かは、海外物件購入における最初の本当の戦略的判断であり、支払い方法、リスク、そして資金がいつ回収され始めるかまで、その後の全てを左右する。
どちらが賢い選択かはケース次第だ。プレビルドが向く目的もあれば、痛い目を見る目的もある。中古も同じだ。以下では両方を正直に見た上で、自分が物件から本当に望むものに合わせて選ぶための、簡単な考え方を示す。
2つの用語が指すもの
プレビルド物件とは、完成する前に買う物件のことだ。すでに建設が始まっている場合もあれば、敷地はまだ柵で囲まれた更地で、アパートは図面とモデルルームの中にしか存在しない場合もある。デベロッパーと売買契約を結び、分割払いで支払い、建物が完成すると引き渡しを受ける。通常、そこまで1年から4年かかる。
中古物件はすでに存在し、すでに所有者がいる。ほとんど住まれていない築2年のフラットのこともあれば、3代目の家族が住む1980年代のヴィラのこともある。実物を内覧し、個人の売主から買い、契約から数週間、場合によっては数年ではなく数週間で鍵を受け取る。
このタイミングの違いが、ほぼ全てを左右する。
プレビルドを選ぶ理由
価格が一番の売りだ。デベロッパーは、完成済みの同等物件より安く発売する。初期の売れ行きが需要を証明し、建設資金を賄うからだ。割引率に普遍的な数字はなく、それを口にする者は何かを売り込んでいると思っていい。それでも傾向ははっきりしている。フェーズが早いほど、平米単価は優しい。
支払い方法も違う。契約時に全額を払う代わりに、プレビルドの契約は建設期間中に支払いを分散させる。ドバイでは「60/40」や「80/20」といった分割プランがよく広告されている。つまり大半を建設中に分割で支払い、残りを引き渡し時かその後に払う。トルコやキプロスの一部のデベロッパーは、完成後まで分割払いを引き延ばすこともある。大きな金額を一度に送金できない、あるいはしたくない買主にとって、この支払いスケジュールは銀行を介さずにローンと同じ役割を果たしてくれる。
物件そのものも新しい。断熱基準は最新、配線も最新、間取りもこの10年に描かれたものだ。競争の激しい賃貸市場では、それがテナントの期待するアメニティ、ジム、プール、コワーキングスペース、EV充電にもつながる。築20年のタワーはどれも太刀打ちできない。しかも引き渡し後は不具合を報告できる「スナギング期間」があり、デベロッパーの費用で修繕してもらえる。
建設中に相場が上がれば、その値上がりは自分がまだ一部しか支払っていない資産の上に乗る。成長著しいエリアの買主は、契約価格よりも明らかに高い評価額のアパートの引き渡しを受けたケースもある。それこそプレビルド営業が必ず語る値上がりストーリーであり、好況年には本当のことでもある。
プレビルドで失敗するとき
不況の年はそうはいかない。リスクは逆方向に働く。建設中に相場が下がれば、昨日の評価額で明日の資金を約束したことになり、物件がまだ存在しないため売り抜けるのも難しい。
遅延はよくあるリスクだ。四半期や半年の遅れは、経験豊富な買主なら織り込み済みなほどありふれている。それ以上の長期化は、たいていデベロッパーの資金繰りが揺らいでいるサインだ。最悪の形は工事の停止や中止で、まさにそのためにエスクロー制度がある。詳しくは後述する。
そして「パース詐欺」の問題もある。マーケティング画像には夕日、成木のヤシ、誰も所有していない家具が写っている。引き渡し当日に見えるのは、造園がフェーズ3まで持ち越された、剥き出しのコンクリート街区かもしれない。自分の部屋は完璧でも、パンフレットに写っていたカフェ通りは何年も駐車場のままかもしれない。今の姿ではなく、現実的にありうる将来の姿として立地を買うべきだ。
家賃収入の開始も遅れる。契約から引き渡しまでの毎月、資本は何も稼がない。
中古物件を選ぶ理由
中古の購入はパース詐欺を根本から断つ。実際の部屋に立ち、実際の眺望を確認し、実際の交通音を聞くことになる。周辺環境はすでに完成し、把握できる。朝8時と夜11時に訪れ、近隣住民と話し、建物がどう年を重ねているか、管理会社が電話に出るかどうかを確かめられる。
収入はすぐに始まる。テナント付きのフラットを買えば、所有権を得た最初の月から家賃が入ってくる。利回りも、デベロッパーの予測ではなく実際の賃貸実績から計算できる。キャッシュフローを重視する買主にとって、これだけで議論は決着することが多い。
価格の動き方も違う。中古の売主は個人であり、個人は交渉する。転勤、相続、離婚。固定の価格表ではなく人間の事情と向き合うことになり、そこにこそ本物の掘り出し物が現れる。
中古物件で払う代償
築年数が古い。それが魅力になることもあれば、出費になることもある。配線、配管、防水は目に見えないところで老朽化し、リノベーションの思わぬ出費は中古物件の典型的な落とし穴だ。契約前にきちんとした技術検査を受け、建物の管理費支払い履歴も確認しておこう。管理がずさんな建物は、外壁に現れるより何年も前に、その記録に表れている。
支払いも圧縮される。住宅ローンを組まない限り、外国人でも多くの国で借りられるが手続きは早くない、数週間のうちにほぼ全額を送金することになる。頼れる分割払いプランはない。
すでに確立されたエリアには両面がある。自分が何を買っているのか正確に分かるが、市場もそれを分かっている。プレビルドの買主が追いかける建設期間中の急な値上がりは、成熟したエリアではたいてい既に起きてしまっている。だから買うのは値上がり益より安定性だ。
取引税に関して言えば、どちらの経路を選んでもあまり関係がない。ドバイの4%の登録移転手数料はプレビルドにも中古にも同じようにかかり、多くの国で両者は同様に扱われる。本当の財務上の違いは価格、支払いスケジュール、収入の始まる時期にあり、税金の項目にはない。
エスクロー――勝算を変える保護の仕組み
支払ったお金が建物にならないまま穴に消える。それがプレビルドの構造的な悪夢であり、エスクロー制度はまさにそれを防ぐために存在する。ドバイが典型例だ。同市で off-plan 販売を行うデベロッパーは、法律により買主の支払いを当局に登録されたプロジェクト専用のエスクロー口座に集めることを義務付けられており、資金を引き出せるのは建設の各マイルストーンが認証された時だけだ。分割払いは自分の建物の建設資金になり、デベロッパーの別事業には回らない。この規則は2007年のドバイ信託口座法以来施行されており、UAE市場が買主を怖がらせずにプレビルド販売を拡大できた大きな理由の一つになっている。
他の市場は、この点でさまざまな段階にある。大規模プロジェクトに完成保証や保険を義務付けている国もあれば、契約とデベロッパーの財務体力に頼るしかない国もある。どこであれ、署名する前に3つ質問しよう。この国はエスクローや完成保証を義務付けているか。この特定のプロジェクトはそれに登録されているか。建設が止まったら自分の支払いはどうなるのか。この3つに正確に答えられない仲介業者は、4つ目の質問に答えてしまっている。
両方の買い方を経験した人たちから受け継ぐ価値のある教訓がある。存在するものには正当な対価を払い、まだ存在しないものには安くしか払わず、約束に全額を払うことは決してしないという教訓だ。
デベロッパーの見極め方
エスクローは資金を守り、見極めは時間と神経を守る。プレビルドの物件を予約する前に、次のリストを一通り確認しよう。
- 営業ギャラリーではなく、完成済みのプロジェクトを実際に歩いてみる。理想は築5年以上の建物を2、3棟見ることだ。その仕事ぶりがどう年を重ねるかが分かる。
- 引き渡し実績を確認する。これまで何件引き渡し、発表された日程からどれだけ遅れたか。オーナーフォーラムや不動産登記の記録は、パンフレットより正直だ。
- 書類を確認する。土地の所有権、建設許可、そして制度があるならプロジェクトのエスクロー登録。名義がいつ自分に移るのかも確認しておく。建設中に移る市場もあれば、引き渡し時にしか移らない市場もある。
- 遅延条項を読む。まともなデベロッパーは引き渡し遅延に対するペナルティ条項を受け入れる。ここで曖昧な答えしか返ってこなければ、後になっても曖昧な対応をする予兆だ。
- 資金調達の仕組みを理解する。エスクローのない市場で、主に買主の分割払いだけで建設を進めているデベロッパーは、その発売価格の割引がまさに引き受けさせようとしているリスクそのものだ。そのことを念頭に置いて判断しよう。
判断の枠組み――物件を目的に合わせる
今すぐ家賃収入が欲しい場合
ほぼ確実に中古だ。すでに確立されたエリアのテナント付きフラットなら最初の月から支払いがあり、引き渡しリスクがキャッシュフローの邪魔をすることもない。物件一覧から始め、特定の一室に惚れ込む前に、実際の募集賃料で利回りを計算してみよう。
値上がり益を狙う場合
保護策さえ機能すれば、プレビルドの方が説得力を持つ。初期フェーズ、エスクローで規制された市場、上記のチェックリストを満たすデベロッパー、噂ではなく確定したインフラのあるエリア。ドバイやイスタンブールは好況期にまさにこの手法に報いてきたが、同時に見極めを怠った買主に痛い目を見せてもきた。トルコを候補にしているなら、デベロッパーの確認こそが勝負の全てだと考えていい。保護のレベルはプロジェクトごとにばらつくからだ。
自分が住む家を買う場合
決め手はタイムラインだ。半年以内に引っ越す必要があるなら、迷わず中古一択だ。どうせ2、3年後に移住するなら、プレビルドなら待つ間に少しずつ支払い、最新の仕様の建物に入居できる。ただし引っ越しの必須期限、学年の切り替え、ビザの期限といった動かせない予定は、自分でコントロールできない引き渡し日には絶対に結び付けないことだ。
両方を組み合わせるという選択
予算に余裕がある買主は、どちらか一方を選ばないことも多い。即座に利回りが得られる中古を1戸、値上がりを狙うプレビルドを1戸。前者の家賃が後者の分割払いを賄うことさえある。配当株と成長株を両方持つのと同じ発想で、デベロッパーリスク、市場のタイミング、規制を2つの別々の賭けに分散できる。HomeNSearchは対応する全ての国で両方のタイプを並べて掲載しているので、比較は決断の飛躍ではなく一晩の閲覧で済む。
ここに永久に正しい答えはない。あるのはこの予算、この市場、人生のこの段階における正しい答えだけだ。まず目的をはっきりさせれば、物件タイプは自然についてくる。
よくある質問
プレビルドは中古より必ず安いのか
発売時点ではたいていそうだ。デベロッパーは初期フェーズの価格を同等の完成済み物件より下げ、契約を集めようとするからだ。ただし結果全体で比較してほしい。3年間何も稼がないプレビルド物件は、初日から家賃が入る適正価格の中古フラットに、最終的に負けることもある。
デベロッパーが破産したらどうなるのか
ドバイのようなエスクロー規制のある市場では、買主の支払いは監督下のプロジェクト口座に入っており、規制当局が別のデベロッパーを起用して建物を完成させたり、その口座からの返金を手配したりできる。エスクローがなければ、一般債権者として列に並ぶことになり、はるかに不利な立場だ。特定のプロジェクトのエスクロー状況を確認しておくことは、どんなパンフレットの謳い文句より価値がある。
完成前にプレビルド物件を売却できるか
多くの場合、譲渡や契約の移転という形で可能で、活況な市場では引き渡し前の転売は確立された戦略でもある。ただし契約を先に確認しよう。デベロッパーは通常、譲渡を認める前に代金の一定割合以上の支払いを求め、手数料を課し、時には完全に禁止することもある。市場が冷え込めば、未完成の契約を買う人自体が減る。
初めての海外購入にはどちらが向いているか
ほとんどの人には中古だ。手続きは短く、内覧したものがそのまま手に入り、静かに何かがおかしくなる余地も少ない。プレビルドはデベロッパーを見極め、契約を読み込み、遅延に耐えられる買主に報いる。そのすべては、初めての購入より2回目以降の方がずっとやりやすい。



